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せせらぎやそよぎの音を聞こう


せせらぎやそよぎの音を聞いてみましょう。
心の扉をこじ開けず、隙間からそっと優しく漂う響きは、曇った心の、良い話し相手になります。
無音ではない、良質な静けさというのでしょうか。
虚しさと呼応し合ってしまう無音の世界から、少し離れてみませんか。
理屈で一生懸命回復しようとしては、空振りをしていた道筋。そういったものを正してくれるのは、意外とシンプルであるものです。
アップテンポの激しい音楽も、一時的に気分を上昇させはしますが、それらはどこか力ずくという感じで、心を痛めつけてしまっています。
大切なのは、無理矢理ではないことです。
心が外を見たくなるのを待ってやれる響きが、本当のところで、人を元気にさせるのですから。

せせらぎやそよぎの音は、待つ音であり、包んでくれる音です。
結果を急がなくていいんだよ。少しずつ、不足していた栄養をつけて目覚めればいい。
そうやって、太古より動植物を見守って来た音です。
それらの音や気配を体で感じとり、生き物たちもまた、応えて来ました。

人間は自然から離れてしまいましたが、自然の子供であることには変わりありません。
お酒や煙草、クスリに走ろうが、何が本当に、自身を癒やすのか。人間は、知っているはずなのです。
不自然に向けて対応してゆける、鋼のような変化は、人間の身体には生じてはいないのですから。

自然という懐の中でつっぱってみては、シンプルな流れに手を出さないでいる。
どうも、これこそ、心を病むというゾーンであるようにも思えます。
「自分は何でも出来る!」と、どこまでも飛んで見せた西遊記の悟空も、お釈迦様の手の内から逃れることは出来ませんでした。
まさにこれが、自然と人間の構図ではないでしょうか。

せせらぎやそよぎといった、小さな音にも耳を傾けてみること。
または、そうしたシンプルな音を聴き込んで、聴き取る耳を持ってゆくこと。
そうしたところに、形ばかりの大義名分が決して癒やさないものを労わる力動があるのではないでしょうか。







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