恋愛ストレス:後編
B子さんの場合は、優秀過ぎる点が問題でした。
彼女の中では、自分にも相手にも、少しの失点も許せなかったのです。
男性とデートをしても、むしろ伝えてしまった方が良いような、小さな不満を伝えることが出来ないのです。
マニュアル通りに、「不満を伝えるのは良くない」という言葉を大きく捉えてしまい、足枷があちこちにかかっています。
不満を抱え込んでしまうB子さんに、ストレスは増してゆきます。
また、小さく限られた意思表示しかしないので、男性も彼女の魅力や意見を知ることが出来ません。
自分に魅力を感じてくれなかった男性を察すると、B子さんのストレスは爆発します。
「こんなに我慢をして頑張っているのに、酷い!」
そうして、B子さんは、男性の欠点を恐ろしい程に挙げ連ねてしまうのです。
また、B子さんの小さな不満は、この期に及んでも男性に伝えられることは無く、友達に向かいます。
さて、E絵さんとB子さんという、対照的な女性たちのお話を描きました。
実は、この二人には共通事項があることに、お気づきでしょうか?
ええ、そうです。
どちらも、パートナーとの間に、「事実を介した接点が、無い」のです。
この事実が欠けることにより、余分なストレスが生じ、募っています。
E絵さんの場合、男性を英雄として見ていました。
B子さんは、男性を、良心の無い残忍な悪魔に仕立ててしまっています。
とんでもないヒーローも、残忍な悪魔も、どちらも人間らしくないですね。
E絵さんの場合は、男性の意思表示からして、
男性自身にも問題がありそうですが‥。
ところで、「事実」というのは、人間のあり様のことです。
日常のストレスを癒してくれる恋愛には、多少の幻想も必要ですので、
それはまるで敵であるかのようですが、実は、この「事実」がまた、
恋愛ストレスを和らげる事実も、私たちは、忘れてはなりません。
私たち人間は、人の数だけ、真実を持っています。
でも、誰か、自分と違う他人と、親しく繋がる時には、
「事実」という共通の橋を設けないと、
すれ違いが募ってゆくばかりです。
まやかしは、日常のストレスから、私たちを守ってくれます。
一方で、恋愛ストレスから、私たちを守ってくれるものが「事実」である点への操縦を放棄してしまわないように。
「事実」を突きつけないうちに見えているものなんて、たかが知れているものです。
「事実」の共有に、少しずつでも応えてくれるパートナーならば、恋愛ストレスも無駄ではないかもしれません。
前編が、あります。
愛情について
|